昨日は放課後等デイサービスを運営している事業所さんのBCP策定研修でした。
今年度始めからスタートした研修会。まずは新型コロナ対策のBCPを策定しています。
BCP策定自体が初めて事業所さんが多いため、まずは全体像をイメージして書き込んでもらうことを実施しました。まず考えてアウトプットしてみるというのは大切です。
通所事業所のコロナBCPのポイント
①感染フェーズごとの対応の整理(タイムライン作成)
②疑い者、濃厚接触者、陽性者等が発生した時に対応整理(チャートで確認)
③各必要なことを整理(感染予防、発生時対応、情報共有の際の個人情報関係、事業再開と代替ケア等)
④初動の情報共有対応の大きな山を想定しておく
①~③についてはそれほど難しいことではないですが、④の想定と対応は非常に重要となります。
通所事業所の場合はコロナ陽性者が発生した場合、その数にもよりますが2次感染予防のために一時休止になる事が多いと思います。
一時休止になると業務も減るように思うのですが、濃厚接触者の特定や関係機関への情報共有に忙殺されて時間外が発生し大変な状況になります。そのような状況でも、情報共有の際には個人情報保護に留意しなければいけず非常にストレスが高い状況になります。
対応できる職員が限られ、その数人が数日間夜中まで対応した事例もあります。
そのような状況を見越して下記を用意しておくと良いと思います。
・シフト表 ・利用者の利用表 ・毎日の座席位置(毎日写メで記録でもOK)
・送迎車内の同乗者の記録
また直後に問い合わせは同じようなことを聞かれることも多いため、感染の経緯や現在実施している対応、今後の見通しなどを個人情報保護に注意して、また配布場所に注意しながら書面等で配布することも一つの方法です。(これにより電話での説明時間が削減できる)
事業所名を公表しても良い状況の場合にはホームページ上などに状況や今後の見通しなどを記載しておくことで同じように説明時間の削減につながります。
他の事業所との兼ね合い
通所事業所の場合は他の事業を併用しているケースも多いと思います。そのような場合、陽性等の情報が届くことがおそくなってしまうと、他の事業所の初動が遅れてしまうため、できるだけ早く関係する事業所にも伝える必要があります。
ただし、陽性等になった本人や家族に同意を得ないまま情報を共有することは個人情報保護の観点でNGになります。そのため、家族から伝えてもらうよう伝え、余裕がないようなら、本人や家族に共有場所や内容を限定して伝えることの同意を得て共有することが必須となります。
事業継続について
事業再開については、通所職員による訪問や電話等による安否確認もサービスとみなされ一部報酬を算定できるようになっていますので、その点も踏まえて継続計画に反映させることになります。
安否確認も訪問での代替サービスも通所事業所登録者全員に対して実施することは人手の関係で(職員も陽性になったり、濃厚接触者になり離脱するため)難しいことが多いと思います。その場合は、サービス停止による影響が大きい利用者さんから優先に対応することも一つのポイントかと思います。
最初からしっかりとしたBCPを作るのは難しいことも多いため、7~8割のできでも一旦完成させて、現場職員さん含めて周知、相談、シミュレーション訓練を実施しながら改善していくことをお勧めしています。
参加された皆様、お疲れ様でした‼
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